「…何があったんですか?」

殺気を帯びた視線を感じてふり返ると、用務員室の入口に深谷少年が立っていた。

小学四年生の少年が立っているだけなのに、プレッシャーを感じるのは気のせいかな〜ははは…

「お・おはよ〜深谷君、君も二日酔い?」

「こんにちは、山形さん…で、ハルに何を言ったんですか?」

「ええ?!さりげない突っ込みは嬉しいけど、いきなり何を言ったかって、何で分かっちゃう訳?」

「ほほほ…自白してますよ〜?山形さん」

その突っ込み、ありがとうございます先生。じゃなくて…!

僕は深谷少年と目を合わさないように、顔を背けた。

静かに僕の隣に正座した少年が、ジッと僕の顔を見ている…ガン見している…ひーっ!!

「すみませんでした!!」

「ほほほ〜謝っちゃいましたよ、高田さん。よっぽど、ヤバイ事言っちゃったんですかね〜?」

「そうですね…私は、深谷君と山形さんが来て下さった事が嬉しくて、他はどうでもいいんですけどね」

人が土下座をしている横で、先生と高田さんが結構ヒドイ会話をしている…