「…高田さん、大丈夫ですか?」

誰かの声で、意識が戻りました。

顔を上げて見ると、私の事を心配そうにのぞいている、生島君の顔がありました。

「あ…はい…すみません、ありがとうございます…」

生島君の顔を見るとホッとして、笑って返しました。

「…気にしない方がいい…」

深谷君が大人びた表情で、そう言いました。

その口調はどこか優しげで、思わず涙腺がゆるんでしまいました…

「だ、大丈夫ですか?何で?深谷君」

「はぁ…うん、ハルもそのうち分かるから…山形さん、先生、二人とも軽率…」

深谷君の落ち着いた言葉に、驚いた事に先生と山形さんは口をつぐむと、頭を下げたではありませんか?!

「すみません…」

「え?そんな…え?」

私はビックリして、涙が引っ込みました。

「ちょっと軽率でしたね、確かに…すみませんでした、高田さん…」

「え?こちらこそ、すみません先生…理由が分からないんです…それに先生が謝るなんて、似合いませんから…」

私はあわてて、言いました。