大丈夫ですよ、生島君！私も、ほとんど思い出せていませんから…

「…でも館長は、こうなる事が分かっていて、海の外に本の内容が流出しないよう、防いだんですかね？｣

積まれた本を見ながら、山形さんが言いました。

「どうなんですかね〜？あの時点では、再び海底に戻って来れるか、彼女は知らなかったと思いますよ？｣

戸川先生が、そう答えました。

「…館長はこよなく本を愛していたから、単に守りたかったのかも…｣

深谷君が、小さく呟きました。

「そうですね〜まさか彼女も来世の事まで考えて、プログラミングした訳ではないでしょうからね〜｣

「しかし館長は、文字の戻し方を知っている自分が戻る事を前提に、プログラミングして行ったって事ですよね〜｣

「ほほほ…だとしたら、王印での復旧は難しそうですね〜一応試してはみますが…｣

「何にせよ戻る気、満々だったって事ですよね〜｣

山形さんと先生の話しを聞いていたら、ナゼか気分が悪くなってきました。

あ…れ…？変ですね…どうして急に…