「…感謝します、先生…」

「いえいえ〜お礼は全てが終わってからにしましょう…ね?」

ふふふ…と笑う先生はルドではなく、戸川先生だった…

まぁ、たいして変わらない気もするけど…

でもルドの時の方が、質の悪さが二割増しという気がする…

まぁ、どうでもいい事だけど…



「…では深谷君、始めましょうかね〜?」

食事の後片付けを終え、キレイになったちゃぶ台の上に、新たに注がれた温かい緑茶と、デジカメが一台のっている…

自分は、目の前に画像が見れるようにデジカメを置くと、そっとのぞき込んだ。

皆が見守る中、深呼吸すると、小さな画像に写った本の文面に目を通した。

「…この呪文は、間違った魔法の重ねがけを行った場合の、対処呪文である…」

「おぉ…」

「…通常、このようなケースはありえないが、時々…魔力が強い者によって引き起こされるケースが、過去に数件なくもない…が、まれな事に違いなく…」

説明文を読みながら、軽く落ち込まされ…