…本当に不思議なんだけど、一・二時間前に朝食を取ったハズなのに、お腹はしっかりすいていたりする…

海底が体力を消耗するのか…魔法が体力を消耗するのか…



食事が終わり、ふと時計を見ると5時半を回っていた…

まだ家に帰るには時間があるけど、もし何も打つ手がなければ、いったいどうなるんだろう…

無意識に自分は、左手首の白い包帯を見つめていた…

「…深谷君、深谷君?大丈夫?どっか具合悪い?」

視線を上げると、隣に座っていたハルが心配そうに、自分の顔をのぞき込んでいた。

「ううん、大丈夫…」

自分でも気づかないぐらい、ヒドイ顔をしていたようだ…

「ごめん、ハル…今日、ハルの家に泊めてくれる?」

「うん、それはぜんぜんかまわないけど…」

「はぁ、ありがとう…ちょっと、試したい事があるから…」

「それは、どんなアイデアですか?深谷君」

後片付けをするために立ち上がった先生が、通りすがりに聞いてきた。