「ははは…修子ちゃん、これはダメみたいだよ〜」

笑うハルの隣で、山形さんは冷蔵庫を開けると、中の本をめくっている…

「あ、こっちもダメですね〜先生、後は何を試したんですか〜?」

「ほほほ…後は火あぶりを考えているんですけどね〜」

「え?!」

一斉に、非難の視線が先生に集中した。

「さすがにそれは、やめましたよ〜?海底に火は存在しませんからね〜?」

ほほほ…と楽しそうに笑う先生を見て、脱力した…

「んじゃあ、まだ思い出してないんだ、修子ちゃん」

ハルが、ちゃぶ台に戻って来ると言った。

「そうですね〜」

ニッコリと微笑んで、答えた。

良く見ると先生の脇に、一冊の本がある事に気づいた。

「…先生…もしかして、その本…」

「ええ〜おさっしの通り、本命の本なのですがね〜」

「な、何かあるんですか?先生…」

山形さんが、心配そうにたずねた。

「いえ、結局何も思いつかなかったので、保留にしてあります…それより、覚めないうちに頂きませんか?」

という先生の言葉で、夕食が始まった。