「そうですね…ありがとうございます…」

「ふふふ…」

4時を告げるチャイムが、校内に響いた。

いつも思うのだが、海底から戻って来ると、地上との時差の感覚に慣れなくて不思議な気分になる…

つい一時間前は朝だったのに、と…



シャワーを浴び、さっぱりとして用務員室に戻ると、扇風機の前で髪をかわかしている先生の姿があった。

「お帰りなさい、皆さん」

ちゃぶ台の上を見ると、行く時にはなかったざるソバの出前と、ピザの箱が二つ所せましと置かれていた。

「あれ?いつの間に頼んだんですか?これ…」

山形さんが、ちゃぶ台の前に腰を下ろすとたずねた。

「あ、私です。予定通り帰って来れた時を想定して、出前を頼んでおきました」

答えたのは、高田さんだ。

「先生ありがとうございます、お支払いをお任せしてしまって…」

「いいえ〜」

先生はニッコリ微笑むと、あずかっていたらしい高田さんのサイフを返した。