「ああ…あれはですね、演劇部からちょっと、はいしゃくして来たんですよ」

「え〜大丈夫ですか?」

「はい、演劇部は今は廃物ですので、問題ないと思います」

「へ〜そうなんですか〜」

「いや〜夜の体育館って、不気味だったよ〜?怖かったな〜」

山形さんが楽しそうに、昨夜、扉を体育館の倉庫に取りに行った時の話をしてくれた。

「そうなんですか〜?肝試しみたいですね〜オレも行ってみたかったな〜」

ハルが言うと、高田さんが思い出したように…

「うちの学校、体育館にも怪談話があるらしいですよ?」

「え〜本当ですか?」

ハルと山形さんが、その話題に興味を示した。

「いえ、すみません、詳しくは知らないのですが…」

高田さんは、申し訳なさそうに答えた。

「いえいえ〜山形さん、学校の怪談って言ったら、やっぱり理科室ですよね〜」

ハルと山形さんが、学校の怪談話で盛り上がり始めた…

ので、何となく高田さんと並んで歩きながら、あの扉について聞いてみた。