「お疲れ、深谷君♪大魔法士ルドが今、君のために思い出してくれてるからね〜大丈夫、大丈夫」

山形さんも通りすがりに、反対の肩を叩くと用務員室を出て行った。

「ま、そうゆう訳だから、ね?」

ハルの穏やかな笑顔を見ていると、本当に大丈夫な気がしてくる…

「お待たせしました。では合宿所に行きましょうか」

高田さんが準備をすませると、風呂場の先生に声をかけた。

「戸川先生〜それでは私達も、シャワーに行って来ますね〜」

「は〜い、行ってらっしゃ〜い」

台所の隣にある風呂場から、先生の声が聞こえてきた。

「行って来ま〜す」

ハルがそれに答えると合宿所組は、日差しがまだきつい午後の校内を歩いて、食堂上の合宿所を目指した。




木々の間からセミの声が響いて、校庭で活動している運動部のかけ声も聞こえてくる…

「高田さん、あの扉どこから持って来たんですか〜?」

ハルが伸びをしながら、たずねた。