「修子ちゃん…」

ハルが真剣な顔をして、先生を見た。

「う〜ん…これは困りましたね〜とりあえず、いったん地上に戻ってから考える事にしましょうかね〜?」

先生は落ち着いてニッコリ笑うと、そう言った。

「…分かりました…」

自分も少し冷静になると、そう答えた。

ここで考えていても、時間だけが過ぎるばかりだ…

地上の時間は今頃、午後の3時を回っている頃だ…

「了解…」

全員、気持ちを切り替えると、散らばった本を集めて、帰り支度を始めた。




帰りの扉を開く呪文は、自分に任された。

先生は上級魔法の使用で体力を消耗したらしく、ちょっとお疲れのようだ…

自分は早口に呪文を唱えると、何もない白い壁に青く光る扉が現れ…先生を先頭に次々と中へと消えて行った…

最後に自分が中に入ると、自然に背後の扉は消えて、軽い浮遊感が体を包んだ…

雲の上を歩いているような錯覚を覚えた後、足が確かな床をとらえた。