「え?何々どうしたの?」

次は山形さんが近づいて来て、固まる…

「何か問題でもありましたか?」

回復した先生と高田さんも興味津々で、本をのぞき込むと固まった…

「うっそ…」

ハルと山形さんが、声をそろえて言った。

「…おかしいですね〜高田さん…図書館で見た時は、確かに文字はありましたよね〜?」

「はい、先生。私もこの目で確認しましたし…ついさっきまで、文字はあったと思いますよ…」

先生と高田さんは、世間話をするかのように小首を傾げている…

って…どうしてこの二人は、緊張感がないんだろう…

「それは本当ですか?ならどうして…」

ショックから立ち直り、自分はやっと口を開く事が出来た。

「どうしてですかね〜?他の本もですか〜?もしかして…」

先生は手近にあった本を手に取ると、開いて見た。

「これはビックリです…見事に真っ白ですね〜」

「あ、先生こっちの本も、文字が消えていますよ…」

高田さんが、本を一冊、一冊調べていった。