それから…自分達はする事がなくなると、ラセン階段に上から山形さん、ハル、自分の順で腰を下ろすと話し始めた。

「…お母さん、大丈夫だった?」

ハルが、たずねてきた。

「うん、何とか…でもちょっと、これ以上ごまかすのは限界かも…」

手首の包帯を見つめながら、包帯の下のケガを心配する母の事を思い出した…

「そっか〜」

「大変だよね〜あ、もしかしてお母さん、自殺未遂とか勘違いしてるんじゃない?」

やけに楽しそうに、山形さんが言った。

「はぁ…かもしれません…」

「え〜?そんな事ある訳ないじゃんね〜?」

ハルが明るく否定した。

「それよりハル君、彼女どうなった?」

山形さんが突然、別の話題をふってきた。

「え?彼女?」

「ほら、聖域、絶対不可侵の彼女♪」

「ああ〜何もないですよ?」

「そうなの?つまんないね〜」

「どうして山形さんが、がっかりするんですか?」

「え〜?はははは…」

「…」

「…まさか、カケてたりしてないですよね…?」