「そっか〜でも、その呪文があればいいけど…あ、ごめん深谷君、深い意味はないからね?」

ハルは、あわててフォローした。

「…自分もそう思うから…気にしないで…」

「まぁ、何とかなるって深谷君!戸川先生がいる限り、何度でも海底に来れる訳だしさ〜」

「そうですね…」

山形さんは気軽にそう言ったが、自分としては、今日中に全てが片付いてくれるのを祈るばかりだ…

思わず左手に巻かれた包帯を見つめると、ため息をついた。

「修子ちゃんが、ルドの記憶を思い出してくれて良かったね〜」

「うん…」

今度はハルが、自分をはげますように明るく言った。

「これでイースがいたら、海底の王国も夢じゃないかもね〜」

「やめてよハル君〜あの二人がそろうと、世界征服とか始めそうで怖いから…」

山形さんが本能で何かを感じたのか、震えている…

自分は胃の辺りが痛くなるのを感じて、手で押さえた。

「ほら〜深谷君も嫌がってるでしょ〜?あの二人に、真っ先にパシリに使われるのは、深谷君だからね〜」