「分かりました…」

「OKで〜す」

「?」

自分と山形さんは、先生の意図を理解して返事をしたが、ハルは首を傾げている…

「高田さんと私は、入口の方から堂々と入りましょうかね〜?」

「はい…え?」

高田さんも返事はしたものの、首を傾げている…

「高田さんは元・陛下ですから、登録してありますので難なく入室出来ますが、生島君と山形さんは未登録者ですし、深谷君はこの間の一件がありますから、入室出来ない可能性大ですね〜」

先生のやんわりとした言葉が、自分の上にのしかかった…

「あ、そっか〜持ち出し禁止の本を、持ち出そうとしちゃったんだっけ〜」

ハルの悪意のない言葉が、さらに自分の上にのしかかる…

「ハル君、相変わらずヒドイな〜ははは」

山形さんが、ハルの肩に手を回して言った。

「え〜?そうですか〜?ごめんね、深谷君」

「…」

返事のしようがなく、自分は黙ってうつむいた…