「申し訳ないです…一番覚えていなければいけない私が、何も思い出せなくて…」

「いえいえ高田さん、オレなんて一切、前世の事思い出せないですよ〜ははは」

ハルは明るく、高田さんに笑いかけた。

「生島君…」

目をうるませて、高田さんはハルを見ると言った。

「娘って呼んでもいいですか?」

「いや〜それはちょっと…はははは」

ハルは明るく断った。

「それは残念ですね…」

本気で残念がる高田さんをスルーして、先生はハルに話しかけた。

「一応、生島君も来て頂けますか?」

「え〜?中にオレも入れるの?修子ちゃん」

「さぁ〜?いざとなったら、扉は破壊しましょうね〜ほほほ…」

「先生…それが出来るなら、始めからそうして下さい…」

自分は脱力しながら、ボソッと呟いた…

「深谷君、古い物は大切にしたいじゃないですか〜?歴史的遺産は、出来るだけ保存したいと思うのが、骨とうマニアの性というものでしょう?」