「深谷君、同情するよ…ルドと対等に渡り合えるのは、イースだけだからね…」

いつの間にか自分の後ろに来た山形さんが、優しい顔をして慰めの言葉をかけてくれた。

「ところで修子ちゃん、どうして外に出たの?」

ハルが両腕を上げて、伸びをしながら聞いた。

「いえね〜?出れるのかな〜って…試してみたかったんですよね〜ほほほ…さすがに、システムの全部は思い出していないものですから…脱出ルートの確保は、大切ですからね〜?」

実験…そんな言葉が、頭の中に浮かんだ…

「でわ下に戻って、館長印を探してみましょうかね〜?」

「いよいよですね〜」

ニコニコ顔の高田さんが、先生の後ろに着いて階段を降りて行く…

「いよいよだね〜深谷君」

ハルが自分の肩に手をかけると、先に降りるように促してくれたので、うなずいて答えた。

「…深谷君…何か僕、疲れたよ…ははは…この間死ぬほど心配したのは、何だったのかな〜?」

山形さんが、うな垂れながら自分の後ろを着いて来る…

同情し過ぎて、かける言葉も見つからない…