「本当ですね〜」

高田さん、山形さんの次に出て来ると、山形さんは誰ともなく呟いた。

「え〜ここ、図書館の入口じゃない…」

「…」

自分は言葉もなくふり返えると、出て来た場所を見直してしまった。

柱や床が壊れているが、元、宮殿をつなぐ渡り廊下だった場所だ…

「そうですよ〜?だって出口は故障していて、出れないですからね〜?」

先生が、もっとらしい事を言った…

「…先生…どうしてこの前、このルートを使わなかったんですか…」

自分は暗い気分で、たずねた。

最下層のフロアに、入口につながるラセン階段が存在する事を、わざと黙っていたのだ…

「ほほほ…だってこのルートを使っていたら、間に合わなかったでしょう?」

「…試したかっただけじゃないですか?アレ…」

「ほほほ…さすが深谷君、スルドイですね〜」

「…高速移動の魔法を使えば、自分達なら間に合ったと思います…」

「さすが冷静な判断ですね〜ロイズ」

一瞬、先生の姿に、ルドの姿が重なって見えた…