「はぁ…はぁ…はぁ…」

隣でハルの息づかいが聞こえる…

自分も座り込んだまま、呼吸を整えるのがやっとだった。

『また、あそびにきてねーー♪』

『こいよーーこいよーー』

『げんきでねーー』

夕日が沈む海の上で、自分達をここまで運んでくれたイルカ達が飛びはねている…

自分は何とか手を上げると、それに答えた。

思ったよりも体力を消耗しているらしく、立ち上がる事が出来ない…

ハルはうつぶせに寝転んだまま、手をふっている。

「ふ…か…や…くん…生きてる?」

「…うん…なんとか…」

「ギリギリだったね…ところで、ここどこかなー?」

どこかの浜辺に、生きてたどり着いた奇跡に、感謝したい気持ちでいっぱいだった。

願わくば、ここが地球上であってくれさえすれば、もうどこでもいいという気分だった…

″…ウゥーーー″

突然、サイレンの音が辺りに鳴り響いた。

″キーーンコーーン・カーーンコーーン…″

次にチャイム…

「花咲ぃーファイトーーファイトーーファイトーー!」

どこかの運動部のかけ声…

「…ハル…もしかして、ここは…」