フレアは、大事な物を用意するように言ったよなぁ…

大事なもの…ロイズにとって大事なもの…事って言ったら…

「ああ!もしかして、あの言葉って、゙君が望むかぎ…゙」

そこまで言いかけた時、突然、僕の口が深谷少年の小さな手によってふさがれ、その先を言う事が出来なくなってしまった。

…え?何で?

僕の口を左手でふさいだまま、深谷少年は僕の方へ顔を近づけると、耳元で低くささやいた…

「…言ったら殺ス…」

「え?!」

僕が横目で少年の顔を見ると、殺気に満ちた凄みのある目でにらまれ、ゾクッと背筋に悪寒が走った…

「…深谷君、ちょっとキャラが違うみたいだけど?!」

モゴモゴと、小さな声で何とか呟いた。

「?どうしたの、二人とも…内緒話なんかして…」

ハル君がかなり不思議そうに、こちらを見た。

一方、戸川先生と高田さんは、大人な笑みを浮かべて、僕らのやり取りを見ている…

何となく、この二人には分かっていそうで怖い…