ラピスで出来た箱のフタの部分には、太陽のデザインが金色の線で描かれ、中央には黄緑色の石がはめ込まれていて、゙パコン゙と音を立ててフタが開くと、中から純金で出来た指輪型の王印が現れた。

「…これが王印…すごくキレイですね…」

ハル君は王印に見とれながら、呟いた。

「本当に美しいですね…これが、王である者だけに受け継がれた指輪ですか…」

戸川先生がしみじみと、古い物を愛おしそうに見つめた。

その隣で同じような表情をした高田さんが、うっとりと王印を見つめて言った。

「…美しいですね、本当…一度は私の手にあった物だなんて、信じられません…」

「修子ちゃん、この文字何て書いてあるの?」

ハル君が指輪を大切そうにつまむと、四角い印の部分に書かれている、象形文字のような文字を先生に見せた。

「えっと〜…フレイヤース語で、゙王位を継ぐ者゙と書かれていますね〜」

「へ〜」

「…それじゃ先生、この手紙の文字、何て書いてあるか分かりますか?」