イルカの群れは、ものすごいスピードで海の中を進んで行った。

周りの景色が、もうスピードで通り過ぎて行く…

エイの群れに、お礼を言うと『いーけ、いーけ、また、あそびにこんしゃいね〜』と言ってくれた。

バトンタッチしたイルカは、ふり落とされないように、しがみついている事や時々、海上に上がって飛びはねる事をのぞいては、実に心強い運び手だった。

これならギリギリ間に合うかもしれない…

相変わらず何の根拠もないけれど…

イルカが言うには、宮殿から陸地まで、そう遠くないとの事だった。

時間で聞けないのは残念だけど、今は信じるしかない…

『もっととばすから、しっかりつかまっててねーヒャッホーー♪』

もう周りの景色を見ている余裕はなく、しがみついているのがやっとだった…