ワイシャツに、グレーの落ち着いたネクタイをはめ、夏用の爽やかなページュのスーツを着こなす姿は、この人物が普通の教員でない事を物語っていた。

「こんにちは、校長先生…」

シャベルを片手に持った戸川先生と、高田さんは立ち止まると頭を下げた。

自分は怪しい人物でない事を証明しようとして、力む笑顔が引きつる…

隣のハル君と深谷少年は黙礼をすると、お互いの顔を見合わせている…

何か、二人だけに通じる言語でもあるのだろうか…?

テレパシーは、海の中でしか使えませんよ〜?二人とも…

「はい…これから、タイムカプセルを、掘り起こそうと思いましてね…」

ふふふ…と、いつもと変わらない冷静さで、戸川先生が対応した。

「ほ〜それは楽しそうですね…頑張って下さい…」

校長先生は、この場にいる全員に微笑むと、全く自分の存在とか、この妙な組み合わせに関しては突っ込まずに立ち去って行った…