「そうだよ、ハル君…君はある場所に置いたというか、封印したんだよ…幸いその時、僕らも立ち会ったし…ロイズも知っているハズなんだけど…」

そう言って、山形さんは深谷君を見た。

「…その記憶はまだ…いったいどこなんですか?」

「ふっふっふっ…聞いて驚くなよ〜?実はね〜」

山形さんはもったいぶって、その場所を告げた。

「この学校の、図書館の、書庫の、裏口の扉の下です!!」

「…ええ!?」

自分と高田さんの声がハモった…さすが前世で親子…

修子ちゃんは、いたって冷静に…

「…どうしてまた、そんな所に?」

「フレアが王の任を終えた時に、双子水晶と一緒に埋めたんですよ」

「…でも、あの大木のあった場所と書庫の位置は、そもそも一致しないような…」

深谷君が、今さらな内容を鋭く切り込んだ…え、そうなの?

「うん…大木は老年化と、落雷のダブルパンチで、燃えてしまってね…目印がなくなったから、場所を移す事になって…」

「なるほど〜そこで、双子水晶は一回掘りおこされて…王印も一緒にですか…実にラッキーでしたね〜」

ニコニコと修子ちゃんが、深谷君に微笑みかけた。

素直に喜べないのは、決して深谷君のせいじゃないからね…