オレはア然として、その顔に見入っていると、しびれを切らした坂神 理愛子は短く繰り返した。

「…どうなんだ?」

「え?ああ…本当だけど?」

ほとんど口を聞いた事のない坂神女史の口調は、予想に反してぶっきらぼう…というか男言葉で、淡々…というか、抑揚のない声は、低く落ち着いたトーンのアルトだ…

「…そうか…では、私と付き合わないか?」

「…え?」

思わず自分の耳を疑った。

いや…その場にいる全員が、そうだったに違いない…

一斉にア然とした友人達が、坂神女史の顔を見て呆けている…

坂神女史は背筋が伸び、リンとしていて、一部のスキもないスレンダーな肢体が美しく…長いストレートの茶色の髪が、腰まで伸びていて、クールな印象をさらに強調していた。

涼しげを通り越して、冷ややかな視線が自分を真直ぐに見つめている…というか、にらんでいる…

あれ…?コレって、告白だよね?果たし合いの申し込みとかじゃなくて…