あ・危ない所だった…心臓がドキドキする中、やっと自分は置かれている状況を把握した。

どうやら気を失った自分は、床に仰向けに寝かされているようだ…

ゆっくりと半身を起こすと、見た事のない空間というか、部屋の様子が目に入った。

「…ここは…?」

「ここは、研究所です…何とか無事、戻って来れたようですね〜」

「…つながっているんですか?宮殿と…」

円柱形の部屋の中央には、丸いテーブルが置いてあり、壁面のカーブに沿って机が備え付けられ、コントロールパネルのような席と、びっしりと本が埋まっている本棚や、色々な形をした水槽が並んでいた。

部屋の天井は、ゆるやかなドーム状のガラス張りで、青い海の中を泳ぐ魚達の姿と、陽の光のカーテンがゆれる世界が、広がっていた…

「ええ〜強引につなげました…この研究所が完成した後に、追加したんですよ〜」

こんな便利な通路があるなら、最初に言って欲しかった…という、心の呟きが聞こえたのか、先生は付け加えた。