「…その、あわててて…すみません…忘れてて…しかも…｣

「ええ、そうなんですよ〜しかも、その本が持ち出し禁止の本だったのが、不運でしたね〜｣

「え？どうしてですか？｣

キョトンとして、高田さんが質問した。

「…持ち出し禁止の本を、持ち出そうとすると、本の内容が…字が消えてしまうんです…｣

自分の声が小さくなっていくのが分かった…

「じゃあ…｣

「実に不運でした…その事を思い出したのが、そのシステムが発動した後でしてね〜実についてない事に、そのシステムで引っかかった人物は、入口から出る事が出来なくなってしまうんですよ〜｣

「じゃあ…あの時、深谷君は、そのシステムに引っかかって…｣

ハルが事実の重さに、暗くなる…

「うん…出口が故障してなければ、問題なかったんだけど…｣

「本当ですよね〜深谷君。そう言えば、もう一つ思い出したんですけどね〜もし深谷君が、あの本を出口から持ち出そうとしていたら、深谷君はあの図書館からも、出れなかったんですよ〜？｣