「もうそんな時間ですか?ではそろそろ何があったのか、お話しましょうかね〜?深谷君」

戸川先生の柔和な口調を聞きながら、胃がチクリとした気がする…

何かまた、ルドモードになったような…

自分は、うなずいて答えた。が…

「…で、何があったんですか?」

なかなか言い出せない自分を見かねて、ハルは戸川先生を見るとたずねた。

「実はですね〜私と深谷君は図書館の最下層で、探していた本を見つける事が出来たのです。が…」

そこで戸川先生の姿をしたルドが、言葉を切った。

暗に、自分で話せと言っているような気がする…

「…つい…自分がその本を持って、入口から出ようとして…」

「え?出れるの…?」

山形さんが聞いた。

山形さんの書いた本には(本を借りた場合)出口からしか出れないと書いてあった、確かに…

「いいえ、やっぱり出れませんでしたね〜深谷君?うっかりしていましたね〜ふふふ…」

その、ふふふ…が怖い…