不思議な事に、ちゃぶ台に乗せられた食べ物達は、次々と姿を消していった。

隣の深谷君を見ると、もうこれ以上は食べられないといった様子で、ハシを皿の上に置いて胃の辺りを押さえている…

山形さんは、良く冷えたビールを満足そうに飲みながら、ピザの残りをつまむといった感じだが、結構満腹そうだ。

この宴のセッティングをしてくれた高田さんは、ビールも飲まず、上品に日本茶などを口にしながら、ほとんど食べた様子がない…

どうやら少食らしい…

という事は…

最後に目をやった修子ちゃんは、ビールをリズム良く飲みながら、ラーメンにとりかかっている所だった…

「…先生、カツ丼いかがですか？」

深谷君が、ほとんど手をつけていないカツ丼を修子ちゃんにすすめた。

「ありがとうございます。深谷君は、もうよろしいのですか？」

コクリとうなずくと、深谷君はカツ丼を差し出した。

「…ラーメンもいかがですか？」

「よろしいのですか〜？では、頂きます」

…って修子ちゃん、どんだけ食うんですか？