確か…このフロアに、あの本はなかったですよね〜…

気づくと私は下のフロアへ行くために、ラセン階段を下りていました。

最下層…あそこに行けば、きっと見つかるハズです…

そのフロアにたどり着く頃には、私は多くの記憶を手に入れていて、限られた人間しか入れないハズのフロアの扉を開けて、中に入っていました。

そして迷わず、その本棚へ歩いて行くと、そこには深谷君の姿がありました。

「…あなたも、思い出したようですね〜」

「はい…戸川先生も…」

「ふふふ…今は、どちらかと言うとルドに近いですよ…」

図書館の最下層は、とても貴重なめずらしい内容の本で埋め尽くされていました。

目当ての本を探すのに、そう時間はかからないと思っていました…が、意外にも手間取っていると、いつの間にか時間が経っていたようです。


「深谷君、修子ちゃん、ここにいるの?いたら返事して!」

ドンドンと入口の扉を叩く音がして、生島君の声が聞こえてきました。