「…着地します…」

深谷少年が言うと、宮殿の真上を通過した後、セーバーは大きくその上を旋回してから、ゆっくりと滑り降りるように宮殿の前に着地した。

白い海底の砂がフワリと舞い上がって、音もなくセーバーは止まった。

「…ハル、何分かかった?」

「えっと…8分34秒」

「ありがとう、ハル…山形さん、これからどうしますか?」

深谷少年がセーバーから下りると、僕に話しかけた。

このパーティーの中で今まともなのは、ハル君と深谷少年だけみたいだ…

ナゼか高田さんもボンヤリとして、立ち上がる様子はない…

僕は遠くで深谷少年の声を聞きながら、さまざまなデジャヴに襲われて軽いトリップ状態におちいっていた。

「…30分後に、この場所に集合という事でいいですか?」

「…う…ん…ごめん…そういう事で、皆さんよろしく…」

ボンヤリとした意識の中で、そう返事をすると、僕を残して全員は宮殿の方へと向かったようだ…