そうこう感心しているうちに、周りの景色が変わって、何もない広大な砂地が現れた。

「あれが、もしかして宮殿ですか?」

戸川先生が指差した先に、とつじょ人口的な建築物が現れた。

「そうだよ、修子ちゃん…」

ハル君が、考え深げに呟いた…

「いや〜あれか〜♪ワクワクしてきたな〜」

僕のテンションは上がった…なのにハル君は遠い目をして、ボンヤリと海底の美しい世界を見ている…

「ハル君?どうしたの?」

「…宮殿以外は皆、なくなっちゃったんですよね…」

「うん…」

おそらくフレイヤースの都市は、この砂の下に眠っているのだろう…



近づくほどに、宮殿の損傷が激しい事に気づく…

正面の宮殿の入口を残して、柱の土台がむき出しになっている所はまだ良い方で、折れて壊れた柱の名残が横たわっていた…

宮殿の居住区や玉座の間、迎賓館、会議室…そして大気の間…その面影はどこにもない…