すると、静かにセーバーがさらに浮上して、広大な海底の世界へと滑り出した!

「うわぁ…」

全員の口から、思わず感嘆の声が上がった。

陽の光のカーテンが、ゆらめく青い海の中をゆっくり旋回したセーバーは、ある方向を定めると、一直線に進み始めた。

予想以上に速度があって、びっくりだ。

頬に感じる海水の感触が、心地いい…

「研究所が建っていたのは…え〜っと、どれですかね?」

戸川先生が小首を傾げて、辺りを見渡した。

この辺り一帯の海底は巨岩の密集地で、魚の群れが間を流れるように泳いで行く…

さっきまでいた研究所が少し離れてしまうと、どれだったか分からなくなっていた。

「…あれ?どれでしたっけ?」

さっきまで確認していたつもりなのに…どの岩山だっけ?ちゃんと帰れるかな…?

「深谷君、分かる?」

黙って前方を見つめていた深谷少年に、ハル君がたずねた。