「何ですか?それ?」

ハル君が興味津々で、のぞき込んできた。

他の人もワラワラと集まって来る…

「ちょっとセッティングするので、離れて頂けますか?」

夢の中の記憶をたどりながら、僕は折りたたまれている尾翼の部分を開いていく…

全てのパーツを開き終えると、想像以上に大きな乗り物が出来上がった。

「セーバーだ〜」

「おお…!これがそうですか。思ったより大きな乗り物ですね」

ハル君と高田さんが、特に感心を示して眺めている。

「…写真撮ってもいいですか?」

目をキラキラさせた戸川先生が、僕に撮影の許可を求めた。

「え?カメラ持って来たんですか?」

「はい、水中カメラも借りて来ました」

「もちろん、どうぞ…」

「ふふふ…ありがとうございます」

「学会に送ったりしないで下さいね?」

ふふふと微笑む戸川先生が、ウエストポーチから取り出した水中カメラで撮影していく…

いまいち不安だ…