「ん〜出来るよ〜、何分?」

「60分…この呪文のタイムリミット…」

「…さすがロイズ…ぬかりなしだね…」

僕はただただ、この小さな少年が、ああ…ロイズなんだなぁと感心するばかりだ…

長い廊下を歩いて行くと、再び何のへんてつもない一枚の壁が現れた。

…さて、どうしたものか…

実はここから先、どうやって外に出ればいいのか知らないんだよなぁ〜

「…山形さん、どうしたんですか?」

ハル君が、さっきまでいた所とは違う場所で僕を見ている。

「あれ?」

ふと気づくと、ボンヤリ壁の前で腕組みをしている僕を残して、皆はいつの間にか研究所の外へと出ていた。

あっけにとられていると、深谷少年と目が合い…僕は片手を上げて、感謝の意を示した。

…グダグダだなぁ…ま、いっか〜


海底の世界をバックに全員が立っている姿を見た時、軽い感動を覚えた。

…夢じゃないんだ…全てが現実で…僕らは昔、ここに住んでいたんだ…本当に…