「山形さん、急いで下さいよ！深谷君達もう、きっと待ってますよ〜」

「ごめんごめん、何か君のアパートで寝るようになってから、前世の夢をやたらと見るものだから、朝起きれなくてさ〜」

僕は自転車の後ろに飛び乗ると、自転車をこぎ始めたハル君に言い訳をした。

お互いＴシャツとジーパンを着込み、今日のためにジーパンの下には海パンをはいている。

後ろ向きに座った僕は、ご機嫌でハル君の背中に寄りかかった。

「おもっ！しかも暑いから、くっつかないで下さいよ〜」

「あはは〜急げ少年〜海底へまっしぐら〜♪」

「元気ですね〜山形さん。ちゃんと、つかまってて下さいよ〜とばしますからね〜」

「おっけ〜♪」

あはははと笑うと、つられてハル君も笑い出した。



今日は、ついに待ちに待った海底宮殿探検の日だ♪
楽しくない訳がない。

見上げると雲ひとつない空が広がっていて、朝一のせいか海風は涼しく、潮の香りが心地いい…