「うん・・・なんとなく気づいてた。
相手は、翔平・・・だろ?」


え・・・どうして・・・??



「そりゃあ、いっつも部活んときに
あんな目で翔平のことみてたから、
気づいてたよ・・・」


先輩はそういって寂しそうに笑った。



「でも、さ・・・
なんで優愛はいっつも悲しそうな目で
翔平のこと見つめてるの・・・?
翔平のことを見つめる優愛の目、
なんかただ翔平のこと好きって
いう目じゃないように見えたよ」



「それは、その・・・」



何も言えなかった。

だって先輩が言っていることは全部
当たっていたから。



「なあ、優愛はさ・・・・
翔平のこと、その・・あきらめたいんだろ?
だったら、俺のこと利用していいからさ・・・」



「そんなこと、できませんっ・・・」



「でも、優愛、ずっとそうやっていたら
あきらめられないんじゃない?」


「それはっ・・・・・」


「なあ、俺が絶対忘れさせてやるから・・
俺を信じてみない・・・・?
それでもやっぱり無理だったら、
いいから、さ・・・」


先輩のことは嫌いではなかった。

むしろ好きだった・・・

もしかしたら、先輩と付き合っていくうちに
翔君を忘れられるかもしれない。

先輩が忘れさせてくれるかもしれない・・・


そう思った私は、先輩の優しさに
甘えてしまった。




卒業式の後は、すぐに春休みだったから
私たちが付き合っていることは、
杏里も

もちろん翔君も知らない・・・・・