「はーい、分かったよ~だっ!」

杏里はそう言って翔君に舌を出した。



杏里は、小学校からの私の親友。

私とは正反対のショートヘアで、
性格もさっぱりしていてすごく面白い。

杏里も水泳部で、全国大会に出場するくらい
速い。



私も仲が良い杏里と翔君がいるから
水泳部のマネージャーになったってのもある。






ガラガラッ・・・・・


「こらぁー、お前らもうとっくにチャイム
鳴ってるぞー!席つけーっ」



担任の先生が入ってきて、私たちは
席に着いた。



席は出席番号順だから、
私と翔君は一番後ろの席で隣りだった。




「うわっ、優が隣りかよ~・・・
マジついてねーわ、俺~」


「こっちのせりふですよーだっ!」



私も負けずと言い返してやった。

私と翔君はいつもこんなかんじ。

だから、

翔君はきっと私のことなんか、恋愛対象にも
見てないんだろうなぁ・・・


翔君にとって私はただの幼なじみ、か・・・



翔君は、もし私が告白なんてしたら
きっとびっくりするよね。


まあ、当然私はフられるんだろうな。



告白して、気まずくなって・・・

今まで通り、今みたいに楽しく話せなく
なったら・・・・

だったら、私の気持ちはずっと胸に
しまっておく。