「あ、ほんとだーっ。あの走ってる人
でしょ?」



おそらく翔君のことだろう・・・・


翔君は昔から女の子にモテるんだ。

バレンタインのチョコなんか、
すごかったなぁ・・・



それに、翔君は自分じゃ気づいていないかも
しれないけど中1のころよりも
かっこよくなった。



背も伸びて、声も低くなって・・・

なんだか男の人をかんじる。








「あー、疲れたぁ~!!」

走り終わった翔君が私のところへ来た。



「お疲れ様~はい、タオル~」



「おう、サンキュー」


「翔君のおかげでなんか今年は
新入部員たくさん入りそうだよ~」


「は?なんでだよー」


「あはは、ひみつー」


現在水泳部のマネージャーは
私一人だけ。


でも今年は一年生でマネージャに
なりそうな人いっぱいいそう・・・


うう・・・ちょっと複雑・・・




翔君は、モテるのに彼女はいない。

いないっていうよりは作らないって
言ったほうが正しいかも。


翔君に今まで彼女がいなかったのは
奇跡だよ。

中3になったし、そろそろできても
おかしくないな・・・・


そうやって考えると少しさびしい気もする。


・・・って私何考えてるんだろ。

私には蓮斗先輩がいるのに・・・





「なあ・・・」


突然翔君が口を開いた。


ドキッ・・・・・


「なに・・・?」


「まあ、そのどうでもいいことなんだけど
優ってさ~蓮斗さんと付き合ってんの?」


「きゅ、急になに言ってんのっ!!」