朝食と後片付けを済ませ、ペットボトルの水を飲んでいると、シンヤがダイニングにやってきた。

 真純の飲んでいるペットボトルを、物欲しそうに見つめているので差し出す。


「飲む?」
「え? いいの?」


 なぜかシンヤは差し出されたペットボトルを、戸惑いがちに見つめる。


「いいよ。水くらい遠慮しなくても」
「でも間接キスになっちゃうよ?」


 シンヤの言葉に、真純は思いきり脱力する。


「何、それ。中学生じゃあるまいし。飲み会とかで、みんなで回し飲みすること、普通にあるでしょ」

「だって、さっき嫌がってたから、間接でもイヤかと思って。真純さんがかまわないなら、僕は全然平気だよ」