まだ熱の残る布団の中、進弥の隣で腹ばいになった真純が、左手薬指にはまった指輪をしげしげと眺める。
 そして不思議そうに首を傾げた。


「どうしてこんなにサイズぴったりなの?」
「測ったんだよ」
「え、いつの間に」


 進弥はニヤリと笑って、枕の裏側を探った。
 ベッドとマットレスの隙間に手を差し込んで探り出したものを引っ張り出す。
 それを真純に見せた。


「これで」
「テンプレート?」


 進弥が引っ張り出したものは、透明なプラスチックの板に大小様々な大きさの丸や菱形などの形がくり抜かれた、情報処理用のテンプレートだった。


「ずっと機会を窺ってたんだけど、真純ってちょっと動いただけでも起きちゃうから、なかなか測れなくて困ったよ。でもこの間の昼間、よく眠ってたからチャンスって思って」