停電の謎を問い合わせに行った瑞希が、うしろに人を従えて帰ってきた。
シンヤだ。

 ちょうどエレベータを降りた直後に停電に遭ったらしい。
 降りた後でよかったと笑いながら部屋に入ってきたシンヤは、真純の姿に気付き驚いたように立ち尽くした。


「あ、真純さん。いたんだ」
「うん」


 気まずそうに立ち尽くすシンヤを瑞希が促し、真純の隣に座らせた。

 停電の原因は、ビル全体の電源をハルコが強制的に落としたかららしい。
 直後に自家発電装置が作動したため、すぐに復旧したようだ。
 今はすでに通常通りになっている。


「なんか気になるな。どうしてそんな事したんだろう」


 目を伏せて考え込んだシンヤに瑞希が問いかけた。