「それでも・・・」　
　
「えっ？」　
　
裕輔は聞こえなかったようで聞き返した。　
　
「それでも・・・アキラが好きだから・・・愛しいから・・・離れたくないの・・・・」　
私の頬に涙がつたる。　　
　
「裕輔にも彼女がいるんでしょ？彼女と・・・離れたくないでしょ？」　
　
裕輔が黙り込んだ。　
　
「だから・・・私はアキラにならどんなにされてもいい・・・アキラの隣にいたいから・・・だから・・・気にしないで・・・私じゃなくて裕輔の彼女を守ってあげて・・・ねっ？」　
　
そう言って後ろを向いた。　
　
涙を見られたくないから。