しかし数日後、彼女からこんな報告が。

「あたしさ、別れた」

「は?」

「作戦失敗。逆プロポーズして、断られて、別れた」

どう反応して良いかわからない。

同情して慰めてやればいい?

それともやっぱりねと笑ってやればいい?

「……あっそ」

悩んだが薄い反応しか出来ずじまい。

「その割には、元気じゃん」

フォローのつもりで付け足すと、彼女は軽い感じで応える。

「そうなの。思ったより、平気なのよ」

見たところ落ち込んでいるようでもない。

「大好きな彼氏に振られた女には見えないね」

所詮その程度の気持ちだったのだ。

彼女の首には未だに彼氏とやらからもらったダイヤのネックレスが輝いている。

ピアスだって、時計だって、靴だって、プレゼントされたと言っていたものばかりだ。

「婚活やり直しだな」

「そうね」

「アテはあるの?」

彼女は軽くため息をつきながら首を横に振った。

「考えてみれば、あたしも今年で26なのよね。一からって考えると、なんだか虚しいな」