「新コーナー案」

と題されたその書類は、彼女が夢を叶えるためにやっと動き出した企画書だった。

俺がデザインを担当している既存サイトの新コーナー。

企画書としては正直なところまだまだ甘い。

これから何度も訂正を重ねていくだろう。

だけど企画の趣旨はとても良いものだと思う。

あの厳しい課長に突き返されても、彼女はきっと諦めない。

応援したい。彼女の夢を。

一緒に叶えたい。

俺にできることはないだろうか。

そうだ。

サイトの新コーナーなら、

それを実際に作ってしまえばいい。

凝った内容なだけに少し時間はかかるけれど、

この企画書が完成するまでにはなんとかできるはずだ。

俺は企画書を隅から隅まで読み込んで、

イメージを膨らませる。