俺だって青木に勝てる気がしない。

青木は良い奴で面白くて、その上顔も良い。

今は仕事一筋で青木の好意に気づいていない彼女だって、

弱っているところを責められたら恐らく落ちる。

俺はきっとそんな様子を指をくわえて眺めることしかできないのだろう。

情けないが、仕方がない。

どう行動すれば良いか、どう言葉をかければ良いか、全く見当がつかないのだ。

今までに彼女がいたことくらいはあったけれど、

いずれも相手から寄ってきて、相手から去っていった。

女を口説く方法なんて誰も教えてくれなかったし、

学べる機会にも恵まれなかった。

でも、だが、しかし。

こんなにも思いが続いたのは初めてだった。

5年。

5年も好きだなんて。

正直、しんどい。

決着をつけたい。