俺はエアコンと床暖房で十分だと思っていたが、寒がりの真奈美のために購入した速暖性の高いガスファンヒーター。

その50センチ前で体育座りしている彼女は、うっとりとその温風を浴びている。

「はぁー、あったかい。やっぱ冬はファンヒーターだねぇ」

幸せそうな笑顔。

メイクを覚えてすっかり大人になってしまったが、笑うとふにゃっと子供のような表情になる。

そんな彼女を横目に、俺は先に部屋着へと着替え、ソファーに寝そべりテレビをつける。

部屋が十分暖まると、真奈美も俺の服に着替え、俺のいるソファーへやってくる。

俺の膝の辺りに腰を下ろし、クッションを置いて頭をこちらへ倒す。

すると、ちょうど俺の胸のところに真奈美の頭がくる。

それを確認して彼女の腰へ手を回すと、くびれの部分が手首を乗せるのにジャストフィット。

真奈美が俺の指に自分の指を絡めたら、二人のリラックスポーズの完成だ。

この態勢を編み出した時は、あまりにもフィットしすぎて、真奈美は俺だけのために存在するのではないかとすら思った。

これからもこの部屋で、このポーズで。

そんな未来を描き始めているのだが、それは俺だけなのだろうか。