「元々真奈美は好きな男にはラブラブビーム飛ばすタイプだろ」
「兄貴の時みたいに?」
何かあれば二言目には“秀士先輩”と目をハートにしていたあいつを思い出す。
中学の時だけかと思いきや、昨年会わせた時も同じ顔をした。
あんな顔、俺にしたことがあっただろうか。
記憶の限りだと、ない。
だから俺はまた兄貴に深く嫉妬して、余計に素直になれなくなって、事をより複雑にしてしまったのだった。
「そう。それが瑛士にないっつーことは、だ」
誰かの口から聞くとグサッと深く刺さりそうだったから、俺は碧の言葉を遮って、あえて自ら口に出すことにした。
「あんまり好かれてないのかもな」
ベッド上での男の言葉は信じるなとか言われるが、女の言葉はどうなんだろう。
つーか俺たち、付き合ってまだ3ヶ月弱だぞ。
本来なら一番ラブラブで、毎日でも一緒にいたい時期なんじゃないのか。
少なくとも俺は、そう思っているのだが。
あいつにとっては違うのか。