でも、あたしはすぐに
背丈と手と匂いで、奈智だって
すぐにわかった。


そう。

"あいつ"というのはあたしの彼氏、夏目奈智。

そして、
ちょっと年の離れた後輩君。





「ちょっとやめてよ。」

あたしは思いっきり嫌なそぶりを見せる。


「嫌だね。」


耳元で奈智が低い声で言う。


「もぅ…探せないじゃんか。」


あたしは怒り口調で言った。



だって…




万が一誰かに見られたら
まずいんだもん。