「俺トランプ持ってきたよ。たまにやるとハマるよね。」
蒼空も何だかんだ一緒に遊んでしまう。
こーゆー時、改めて双子だなーって思う(笑)
「いーなー。何か賭けようぜ?(笑)」
亮汰はいつもこう。
煙草やジュース、昼飯を賭けたがる。
まぁ、その方が面白いからィィけど。
「唯奈、ズルはだめだよ?」
「楓は人聞きが悪いなー。私ズルなんてしたことないよ、テクニック☆」
「それをズルって言うんだよ、もしくはイカサマだ。」
俊が冷静に突っ込む。
「もーっ!!!俊は負けるのが悔しいんだ。」
「俺、オマエらより勝率ィィし。」
「うわー!嫌味だなー。」
海斗が口を尖らせながら配る。
負けたのは言い出しっぺの亮汰。
昼飯おごりだー。
昼休みになり、私はトイレのあと屋上へ行くと無理矢理1人になった。
3階へ行き空き教室に入ると、3年の先輩と2年の先輩が待っていた。
「早く入りな。」
イキナリ真ん中へと立たされた。
「龍鬼と仲ィィみたいだけど、どんな手使ったわけ?」
「オマエみたいなのが一緒にいると迷惑なのがわからないの?」
「気づかなかった?アンタがずっと一緒にいるようになってから、私たち近付けないの。」
「………は?」
私は目が点になった。
バカなの?
私がいるだけでそんなことってある?
「“は?”じゃねーよ、」
1人が殴ろうとしてきたのを軽くかわす。
次の瞬間…………ガタン!!!!
ドアが勢い良く開いた。
そこにいたのは龍鬼メンバーだった。
やっばー………。
「唯奈。トイレだったよね。どうしてここにいりの?(ブラックオーラ)」
ブラック楓様降臨だー。
笑顔だけど笑ってない。
「いやー…何でだろ。迷子になった……?アハハ…(苦笑)」
「アンタ約束破ったね。覚えときな。」
女達が去ろうとしたとき……
「おい!オマエらこそわかってんのか?」
俊が怖い顔をして言う。
「俊君怖ーい。あの子には優しいのにね…。」
「あ?」
俊が余計イラついてるのがわかる。
「俊君達が悪いのよ?私たちのこと放っておくから。」
「勝手なこと言うなよ。」
楓も完全にキレてる。
「女は嫉妬するって良く言うでしょ?あんまり舐めてると痛い目遭うよ。龍鬼がNo.1なのは知ってるけど、私たちのバック全員に勝てる?ニヤリ」
アハハと嘲笑う女。
一体何者なの?
「やれるもんならやってみろ。唯奈は関係ない。」
海斗が言う。
「唯奈も龍鬼の仲間だからつえーぞ?」
亮汰が続けてフッと薄ら笑いし言った。
女はドアを殴り壊し行ってしまった。
「唯奈、勝手に1人で危ういことすんな!!!」
海斗が怒る。
「うん。大丈夫だよ。私女の子に負けないし。」
「あいつら、レディースなんだ。たち悪いんだよ。傷付いてもほしくないから!!!!」
蒼空が怒鳴る。
「蒼空、…。ごめんね、みんな熱くなって。でも本当に俺たちにもちゃんと言ってね。」
楓が優しくフォローする。
その後、学校も終わり倉庫にいる。
私は1人何があったのか知らない。
聞くにも何て聞いたらィィのか。
……………倉庫で過ごした後、家に帰り久々に夜の街へと出た。
みんなに禁止されていたから、今までは守ってたけど、どうしても知りたい。
私だって、ヘマをしなければ絡まれても平気…。
負ける気がしない。
街から少し離れると奴等は現れる。
族が次々と……。
居た、よっぽど強いレディースなんだろうか?
私にはよくわからない。
「あ、アイツ!!」
レディースの1人が私を見つける。
「アンタ1人で来たわけ?(笑)」
何がおかしいのかわからないが、バカにしたような口調で話す女。
今日の昼間の女達…やっぱりコイツが頭か。
「そうだけど。聞きたいことあって来た。」
ほぼ、棒読み状態で話す私。
「そう……なら、昼間のお礼が先だな。ニヤ」
そう言うと、女達が武器を手に襲い掛かってきた。
………所詮、女には変わりなかった。
レディースだろうが、弱すぎる。
まぁ、人数も人数だし、こっちも無傷とまではいかなかったけど。
「チッ、話出来んのかよ、そんな状態で。」
私がレディースの頭に言う。
薄ら笑いし、話始めた。
_________家に着き私はまた考えた。
“うちはね、俊くんの彼女になるべき女なのよ、どっから来たのかわかんねーよーなオマエが来るまでは!”
………は?
“レディースにも入っていないオマエが、一緒にいることで少なからずリスク背負ってる彼等がわかんねーのか?(笑)オマエがいくら強くても狙われるをんだから、龍鬼がそのたびに巻き込まれんだよ。”
全然考えもしなかった。
私はいつのまにか、楽しく平然と過ごしてきた。
“族”って何なのかよく知らないまま…….
そうだよね…みんなのことただ知るだけじゃダメなんだよね….
どうしたらィィのかわからない。
私を救ってくれた龍鬼。
私のせいでそんなことが起こったり、続いていくものだたしたら…一緒に居てはいけない気がする。
女の言う通り……私は深入りして自分だけが良くて…バカみたい。
この世界のルールも知らないんだから。
付け上がっていた自分が嫌になる。
仲間とかわからなかったけど、心配してくれて心配して。
仲間だから助け合って。
でも…その仲間が私のせいで大変な想いをするなら……私は居てはいけない。
みんなの龍鬼を壊してはいけない。
元々私は独りだったじゃない。
千夏と同じ思いはしてほしくない。
私の為に何もしないで……。
翌日……
いつものようにみんなが迎えに来てくれてるだろう。
私は家に居ない。
やっぱり独りでなければダメだったんだ。
海沿いをただただ歩く。
携帯も家に置いてきた。
ぼーっとしていてもみんなの顔が浮かぶ。
本当に楽しかったんだ….
みんなと居ると族だと言うことを忘れてしまう。
それがいけなかったんだね。
気がつくと夕陽が沈んでく。
今日もまた夜が来る。
バイクや車の音がだんだんいつもの夜になってきたって言ってるよう….
独りって…こんなにも切なかったかな….
忘れてただけなんだね、私。
何で涙が出てくるのかわからない。
仲間や族って私には、難しいなあ。
みんなに逢いたい。
俊に…………逢いたい。
すっかり日沈み辺りは光が沢山輝いてる。
族のバイクや車のライトで今日も騒がしく走ってる。
潮風がだんだんひんやりとしてきた。
「ねぇ…もしかして君が唯奈ちゃん?ニヤ」
「え、?」
「クックック(笑)」
ドサッ。
その言葉を最後に私は意識をとばした。
甘いニオイがした…その瞬間真っ暗になった….