ただ1人だけ許してくるない奴。
頭との対決までやっと辿り着いた。
青冷めた面。
半殺し状態にしてやろうかとしたけど手を止められた。
やっぱりアイツ………。
「もうやめとけ。オマエそのカス共を殺す気か?」
カスだと?……………
「はぁ…はぁ…ざけんな。オマエ等も一緒だろうが。」
バコ!!!!!!
アタシは龍鬼の総長である俊を蹴り飛ばした。
「あちゃー………。」
海斗が目を伏せるように手で覆った。
「オマエに…何がわかる。アタシはオマエ等も許さねー。」
「………ぺっ!!!」
俊が血を吐き出す。
「オマエ…自分の今の顔見たことあんのか?」
……………。
何でそんな顔で私を見る。
切なげで辛そうな顔してんなよ。
「見たくねーよ。」
「逃げてんのか?」
「ぁあ"?何が言いたい。」
私は図星を指されて少し乱した。
「何がそんなにオマエを苦しめてる…オマエの目死んでる。」
「うっせーんだよ!!!!」
「あ、おい…!!!」
私は走り出し、家まで全力で走った。
あんな奴に何も分かってほしくない。
ガシャーン!!!!!!
鏡に向かって殴った。
こんな醜い姿自分でも分かってる。
「くそがっ!!!!!」
龍鬼sid
「ったく、行っちまったよ。」
「俊、油断してたろ。」
楓の言葉に俊が口を開く。
「俺はアイツとは殺らねー。行くぞ。」
倉庫に戻る途中だった彼等。
夕食を済ませた後だった 。
人だかりを発見して、海斗が走り出しそれを追い、亮汰と蒼空が追った。
目に映った光景は今日の昼間のようだった。
彼女が血だらけでいた。
話しかけた楓を無視して完全に殺っている。
それを俊が止めて俊が話すと蹴り飛ばされた。
彼女は少し取り乱していた。
倉庫に着き話題はやっぱり彼女。
「なあー俊、あの子大丈夫かな。」
蒼空が言う。
「大丈夫じゃないから俊が、あーなんだよ。」
双子の兄海斗が言う。
「俺もあの子は放っておけねーな。」
「亮汰がそんなこと言うとはな。」
楓の言葉に少しムスッとする亮汰。
「どーするか…。」
俊は考えてはいるが思うようにいかなくて、イラついてもいるようだった。
「とりあえず、過去の彼女の情報は手に入ったよ。」
楓の言葉に目を見開く双子。
『スゲーじゃん!!!』
だが、
内容はえげつないものだった。
「俺等に何が出来んだよ。」
亮汰の悔しげな言葉が響く。
「けど、それはルール違反だろが。」
海斗が怒り口を開く。
続けて蒼空が言う。
「俺等はそんなをんじゃねーよ…。分かってもらいたい。」
「彼女無意識に族選んでるんだよ。」
楓が言う。
『どういうこと?』
双子は首を傾げる。
「昨日のクラスの族の一部も今日の族も、卑怯なことやったり、何かをはき違えてる奴らばっかだし、暴れ放題でルール無視だろ。」
「奴らに喧嘩仲間すらいねーだろ。」
楓の言葉に俊が続けて言い、俊は倉庫から出ていき、解散になった。
龍鬼sid-end-
次の日…
千夏が迎えにきた。
ピンポーン。
いつもの朝…
そう…いつもの…ハズだった。
千夏の顔を見るまでは。
ガチャ……バタン!!!!!
「ち…千夏……?」
血だらけでボロボロの千夏…パニックになった。
「ごめん…ね、昨日のクラスの奴らの……ゲホッ、ゲホッ…はぁ…幹部に…。」
今にも消えそうな声で精一杯私に伝える。
「喋んな!!!」
私は急いで救急車を呼んだ。
嫌な過去が蘇る…。
尋常じゃない出血……
「刺されたのか……千夏。私のせいだよな。」
止血しても尚、止まることのない血の量…。
みるみるうちに冷えきる身体。
青くなってく唇、顔、手足…。
“私のせいだ”
病院に運ばれたが…………遅かった。
千夏の親が私の目の前に来た…。
パシンっ!!!!!!
「あなた!!!!」
おじさんにぶたれた私…おばさんが叫ぶ。
「オマエなをんかと一緒にいたから…千夏は…千夏は…!!!!」
「あなた…やめて(泣)お願いよ(泣)」
おはさんが必死に止める。
「すみません…私のせいです。」
「ぁあ、そうだ…俺たちの前から消えろ!!!!!」
おじさんのこの一言で私は家に帰った。
胸にスゴく響いた…。
血だらけの玄関。
千夏はもういない。
やっと高校生になれたのに…。
まだ1日しか行ってないじゃん…!!!!
久しぶりに涙が出そうだった。
大好きな親友を自分の手で殺めたも同然。
私本当に自分の事しか考えてないとんだドアホだ。
そう思いながらも学校へ行く。
行かなきゃ行けないから。
私が決めた…千夏が卒業はしようと言ってたからそれだけは守りたい。
教室に入ると先生が酷く驚いていたのも束の間、千夏をあんな目に合わせた、本人等がクスクスと笑っていた。
昨日ぶちのめした奴ら。
私は殺す勢いで奴ら目掛けて突っ込んで殺り始めた。
「オマエらが死ねよ。ぶっ殺してやる!!!!!!」
いつもの冷静さも失い、殺人鬼かと思うくらいの勢いでボコボコにしていく。
終わった頃には教室は昨日以上に血の海で、めちゃくちゃな椅子や机、その他もろもろ。
2日連続でめちゃくちゃにした私。
流石に退学かな…。
『えーーーーーーー!!!!!!』
龍鬼の双子が教室のドア前で叫ぶ。
「何だこれ…!!!!」
亮汰が絶句している。
「とりあえず、逃げるよ!!!!」
私は蒼空に手を引かれた。
そのまま龍鬼一同は走った。
何も考えれなくなっている私…。
走りながら海斗が言う。
「先公とか察とかどうするよ?」
「察は逃げ切れるだろ、先公はどうにかするよ。退学はならないと思うけど…一応手を回す。」
楓が走りながらどこかに連絡をしている。
「ったく、何してんだよオマエ。」
俊が心配そうに言う。
既にパトカーや救急車のサイレンが聞こえる。
「やべーぞ、急げ。早くしろ!!!!!!」
亮汰の声にみんなの顔付きが変わる。
走るスピードを上げ、玄関まで走りチャリ置き場まで更に走った。
「乗れ、早くしろ!!!!!」
俊が必死に言うが私には聞こえていなかった。
蒼空が私を持ち上げ跨がせる。
「行くぞ、」
俊の声にみんな反応し走り出す。
そのまま彼らの倉庫に連れてかれた。
少しして倉庫に着き、俊に降ろされる。
そして腕を引かれ幹部室へと連れてかれた。
「俺の着替えしかないけど…よかったら着て☆」
蒼空が優しく微笑み言うが…
「要らない、何で…逃がすの。私はあんた達が嫌いだし、宣戦布告した女なのにどうして………」
私は震える身体、震える声で言った。
「何かあったんでしょ?………今日の唯奈ちゃん怖い。」
海斗が言う。
怖い…?私が…?
「人…殺しそうたぞオマエ。」
俊に言われて目の前が真っ暗になった。
「殺してやりたかった…千夏を殺した奴らを…楽しんでた奴らを…笑った奴らを…。今朝…千夏が死んだ。ナイフで数ヶ所刺され………」
!?!?!?!?!?
話の途中で俊が私を抱き締めてきた。